磁石ができるまでの流れ
わたしたちの身近にあるマグネットがどんな風にして作られているのか?
工場の中を一緒に見学して、どうやって磁石がつくられているのか学ぼう!!
まずは磁石のができるまでの流れを学んで、
どれくらいの工程を経て磁石が完成するのか見てみよう!!
磁石ができるまでにたくさんの作業が
必要なんだね!こうやって工程を経て
完成した磁石はこれから、たくさんの
工場に運ばれ、色々なモノになって、
僕たちの元に届いているんだね!
まずは磁石の材料となる鉱石を採掘します。
鉱山で採掘された鉱石を元素精製工場へと運び、
希土類の精製元素合金を製造します。
磁石に使用される希土類鉱石の殆どは、中国原産です。
磁石に必要な材料の組み合わせをします。
精製された希土類元素合金を、
磁石の種類等級毎に秤量し調合します。
ネオジム磁石の場合、
ネオジム・鉄・ホウ素・ディスプロシウムが主な原料になり、
等級毎に配合比を調整します。
高周波で材料を溶かして混ぜ合わせます。
配合した複数の元素合金を、
真空熔解炉で高周波をかけ熔解します。
熔解された原料は型に流し込まれ、
均一に混合された磁石の合金となります。
目には見えない位、小さな粒にします。
磁石合金を粗く砕き、
最終的にジェットミルで微粒に粉砕されます。
粉砕中酸化しないよう、
アルゴンや窒素の雰囲気で行われます。
磁石の磁気特性を強くする大事な工程
粉砕した磁石粉末を磁場を掛けた金型の中で、
磁界圧縮成型します。
こうすることで磁石のN/S方向が一定にそろい磁気特性が
高くなります。
焼いて固めることで熱に強く、
磁石特性の高い磁石ができます。
圧縮成型された磁粉体を、
真空焼結炉の中で焼結し固められます。
高温で焼くことで密度が高くなり、半分近く小さくなります。
一回目の磁石の磁気特性検査
焼結、時効硬化した時点で、
磁石の基本的な磁気特性は決まっています。
BHアナライザで、残留磁束密度・保持力・
最大エネルギー積など、磁気特性を測定検査し、
合格した磁石だけが次の加工、組立行程へと送られます。
表面を磨き、余分なものを削ります。
焼結工程で大きく収縮し、錆びやすく、
これまで外気に触れ続けた全表面の余分な削り代(取り代)
を研磨除去します。
製品として大きさを整え、合わせる。
希土類磁石の硬度は高く、
ワイヤーカッター・ダイヤモンド砥粒などの加工器具で、
目標の寸法へ仕上げられます。
表面保護に大切なコーティング加工
使用環境に応じて、磁石に表面処理が施されます。
ネオジム磁石は錆びやすいため、
通常メッキやエポキシ樹脂塗装などが施されます。
特性規格内の製品を集荷するための検査
磁石の形状・寸法・外観を検査します。
形状・寸法はマイクロメーターや形状測定器で検査します。
キズ・欠け・凹みなどの外観は全て目視で検査されます。
使用する環境に応じた耐久検査。
磁石の使用環境に応じ、塩水噴霧試験・耐圧試験・
耐熱試験などの耐環境試験を行います。
いよいよ完成間近、磁石を作る最終行程。
磁石に静磁場またはパルス磁場による着磁作業を行い
着磁します。
2回目の磁石の磁気特性検査
テスラメーターによる表面磁束密度、
フラックスメーターによるトータルフラックスなど、
磁気特性検査を行います。
磁気漏れしないように梱包します!!
磁石の磁場が外部に漏れないよう、
緩衝材で覆い梱包します。
海外輸送や航空便で輸送する場合は、
磁気シールドで磁場を遮断梱包し、
磁場漏洩検査を行います。
完成した磁石はたくさんの場所に届けられます。
たくさんの業種の工場にも届けられ、自動車や家電製品の部品に使われて、
様々な形になって私たちのもとに届けられています。
そうやって磁石は私たちの身近にあり、なくてはならないものになりました。
今、私たちの身のまわりのにどれくらいあるか調べてみたらどんなものがあるんでしょう?
次の項目では一緒にお家の中にある磁石を探してみましょう!!
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